はじめに
2022年1月14日、全国医療保障工作会議が北京で開催された。
その中で、「2021年の成果」と「2022年の方針」が発表された。
発表内容を以下に掲載するが、これは内容を直訳したものではなく、あくまでも概略を日本語で記載したものであることを了承いただきたい。
2021年の成果
1.待遇・保障の品質向上
・城郷住民基本医療保険への加入者(2020年、10億1,678万人)について。高血圧・糖尿病の外来治療における保障を受けたのべ患者数は1.2億人だった。患者負担額は前年と比べて411.6億元減少。
・長期介護保険制度について。パイロットを49都市へ増加。(加入者は1.4億人超に。累計
160万の失能者がメリットを享受。1人あたり年間1.5万元以上の負担軽減)
2.国民の医薬品費 自己負担の軽減
・第6回医薬品国家VBPを実施し、インスリン注射薬42品目を値下げ(平均下落率:48%)。人工股関節・人口膝関節の医療消耗器具に対するVBPを実施(平均下落率:82%)。約1,100万人の患者が恩恵を受け、年間300億元近くの医療費を削減。
・国家VBP対象医薬品(過去5回分)と冠動脈ステントにより、年間1,700億元の公的医療費を削減。
・NRDL(National Reimbursement Drug List)を更新。更新後の収載品目数は2,860。国家談判を通じて収載された67品目の平均下落率は62%。
・14.2万軒の医療機関がNRDL談判収載品を採用。NRDL談判収載品の年間のべ患者数は1.4万人、1,500億元の医療費を削減。
3.省跨ぎ医療費精算サービスの向上
・全ての基金プール地域において、入院・普通外来費用の省跨ぎ直接精算を実現。
・入院費用の省跨ぎ精算で恩恵を受けた患者はのべ440.06万人。普通外来ではのべ1,000万人近く。
4.公的医療費 適性使用の管理
・のべ70.8万回にのぼり医療機関に対する検査を実施。そのうち41.4万回を処理し、230億元を資金回収。
5.防疫コストを大幅に削減
・3回にわたり全国のPCR検査価格を値下げ。
・3回にわたりコロナワクチンの価格を値下げ。現状、累計29億回のコロナワクチン接種を実施済み。
2022年 医療保障に関する方針
1.コロナ対応
・必要な方にワクチンとPCR検査が行き渡るような価格を設定。
2.貧困者に対する医療保障
・貧困が理由で医療を受けられないことが無いようにする。
3.全国展開・統一
・全国の「医療保障待遇」・「医療保険リスト(医薬品・医療消耗器具)」を統一。
・長期介護保険制度パイロット業務の継続展開。
4.診療報酬体系の改善
・医療サービス価格 改革パイロット業務の継続展開。
・医薬品リスト動態調整の展開。
・医療保険支払改革(DRG・DIP)の深化。
5.国民への保障品質の向上
・慈善救助・商業健康保険などの発展を支持。
6.国民の医療費負担を引続き軽減
・VBP常態化・制度化を引続き展開。国家・省級VBPでの対象品目数を350以上とする。
・脊柱の医療消耗器具に対するVBPを展開。地方による医療消耗器具へのVBP展開を推進。
・生物薬・中成薬などへのVBPも展開。
7.公的医療費 適正使用の処罰強化
・医療機関に対する調査・処罰の仕組みをより高度化。
8.全国統一の医療費精算体系
・省跨ぎ医療費精算体系を改善し、医療保険の標準化・規範化レベルを向上。
・医療保障の基本公共サービスの均等化を促進する。
9.公的医療保険の更なる浸透
・公的医療保険への加入率(現状96%)を向上。
・ビックデータによる医療保険情報の総合管理を強化。
さいごに
自分の言葉で纏めると、2022年は以下のようなテーマが挙げられている。
・コロナ対応
・公的医療費の抑制
・医療保障 地域差・収入差の改善
・高齢化対応(現在長期介護保険パイロット地域では基本医療制度を活用)
・医療機関に対する取り締まり強化
改めて言うと、今回は医療保障局から発表された内容である。
国民の健康管理・適正治療といった話は、衛生健康委員会といった他部署から出されると考えられる。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。