はじめに
2021年5月、国家統計局より第7回全国人口調査の結果が発表された。
(カッコ内は全人口14億1178万人における比率)
・0~14歳:2億5338万人(17.95%)
・15~59歳:8億9438万人(63.35%)
・60歳以上:2億6402万人(18.70%)、うち65歳以上は1億9064万人(13.50%)
60歳以上の人口比率は、2010年に比べると5.44%アップしている。
高齢化の進展とともに、中国の介護市場も拡大を続けている。
高齢者介護産業とは?
2020年2月28日に国家統計局から発表された《養老産業統計分類(2020)》では、高齢者介護産業の定義が記載されている。中国語をそのまま訳すと分かりづらいので、私の方で出来るだけ簡素化してみた。
【高齢者介護産業とは?】
・高齢者の生活・健康・安全及び社会参画を保障/改善することを目的とした、各種介護活動及び関連製品(モノ・サービス)
・“産業”には、介護者・高齢者向けのサービス提供活動だけでなく、それら製品の製造活動なども含む
中国での高齢者介護市場規模だが、2022年には10兆元を超えると言われている。
2018年は6.56兆元だったので、4年間で50%以上拡大する予測だ。
また今後の拡大が見込まれる要因として、15年ほど前に国務院から出された“中国9073介護モデル”が挙げられる。
【中国9073介護モデルとは?】
・高齢者の介護について、以下の比率で対応しようという十一次五か年計画実施中に提示された考え方。
・自宅での介護:90%
・社区の各種サービスによる介護:7%
・施設での集中介護:3%
2021年に発表された情報だと、現状は以下の比率となっている。
・自宅での介護:96%
・社区の各種サービスによる介護:3%
・施設での集中介護:1%
2016年~2020年の間に、全国の介護施設は2.8万軒から3.8万軒まで増えた。
しかし上記で挙げた通り、未だ自宅での介護が多い状況だ。
理由としては、以下のようなことが言われている。
【ハイエンド介護施設に対して】
・施設費用を支払える高齢者が少ない
・公的医療保険によるサポートが一部都市でしかない
【ローエンド介護施設に対して】
・サービスレベルが低い
・施設の場所が不便
さいごに
「ibgHealthcareニュースで、中国におけるより幅広い分野の状況を発信して欲しい。」
今年2021年に入ってから、上記のような声を複数の方から頂いていた。
私自身も興味があるので、中国医療市場・医薬品市場を中心としつつ、より広げた視点でも発信していきたいと思う。
以上
この記事は各種公開情報等を基に、ibgが内容を作成したものです。