2023年4月11日、オルガノンと海王星辰が共同で“発毛ヘアケアセンター”を深圳市に設立することが発表された。
【オルガノン】
- MSDから独立する形で2021年6月に設立
- 中国の社員数は約1,500名。7領域・23製品を持つ
- 薄毛用薬(AGA治療)の適応症を持つ医薬品、フィナステリド 1mg(製品名:保法止)を販売
【海王星辰】
- 1996年設立の薬局グループ。本部は深圳市
- 中国74都市に、約4,000軒の薬局チェーンを展開
- 会員数は8,000万人以上
今回発表された内容だが、「製薬メーカー」と「薬局チェーン」の新サービスモデルとして各種メディアで取り上げられている。
【発毛ヘアケアセンターが提供するサービス】
- オフラインでの患者に対するScience Education
- 頭皮状態の測定(無料)
- 脱毛傾向の患者に対する認識促進
要するに、患者の疾病認知を高め、早期の治療開始を促す役割を当センターは担っている。メディア発表によると、今後は深圳市から全国へと当センターを展開していく予定だ。
オルガノン中国は2022年8月18日(全国ヘアケアの日)に、中国非公立医療機関協会、JDヘルスケアと共同で、《中国人男性 禿/薄毛に関する調査レポート》を発表するなど、これまでも早期の疾病発見・治療開始を大衆に対して呼びかけてきた。
今回の海王星辰との提携は、更に一歩進んだ取り組みと言える。
せっかくなので、中国増毛剤市場について以下に紹介したい。
上記は、「患者数」・「増毛製品を購入する年齢層」・「売上上位製品」という3つの視点から、中国増毛剤市場をまとめたスライドだ。
2.5億人いるという「薄毛患者」の定義が曖昧だが、働き方・生活習慣・食習慣の変化により、若くして薄毛に悩む方が増えている。実際に増毛製品を購入する年齢層も、18~40歳が大部分を占めている状況だ。
上記スライドの通り薄毛治療には、「薬物治療」、「医療サービス(植毛・育毛)」、「補助市場(シャンプー・サプリメント等)」といった3つの市場が存在する。
上記3つの市場で100億元を超えており、医薬品治療に限らず、医療サービスなども今後の高成長が見込める市場と言われている。
上記は、治療薬であるフィナステリド(一般名)についてまとめたスライドだ。(オリジナル薬メーカーはオルガノン中国)
2つの適応症があり、それぞれ規格・ブランド(製品名)が異なる状況だ。
薄毛用薬(AGA治療)に対しては保険適用されていなく、また国家VBPの落札価格はそちらの方が高い状況だ。
今回、オルガノンと海王星辰の協業の話から、中国増毛剤市場の概要を紹介した。
処方薬治療に限らず、OTC・化粧品・植毛サービスといった様々な面から注目されている当市場。今後も様々なプレイヤーが進出してくると考えられる。
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この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。