はじめに
2021年1月15日、第4回VBP(VolumeBased Procurement)に関する以下の内容が発表された。
・実施ルール
・45の対象品目
・初年度確定購買量(省市/対象品目別)
・初年度確定購買量(対象品目/省市別)
2021年2月3日の午前8時から、入札参加企業からの申請書受領を開始。
同日の午前10時から、提出された薬価に基づく選定作業、及び入札成功企業による省選択が行われる。
また同日の午後2時に、入札成功品目の供給地域が発表される。
第4回の発表内容については既にご存じの方も多いと思うので、今回は第1回~第4回の実施ルールを振り返りたい。
VBP実施ルール(第1~4回)
こちら、本ibgHealthcare Newsで何度も取り上げてきたスライドに、「第4回実施ルール」を追加したものだ。(青字部分は第3回からの変更内容)
一致性評価を通過したジェネリック薬が増加しているため、選定社数の間口を今回も増やしている。第4回だが、最大10社まで入札成功可能なものとルール上なっている。
今後も続く公的医療費の抑制
上記スライドは、以前講演した資料から抜粋したものだ。
(上記スライドの補足説明)
・1人当たりの医療費を、財源分類別(政府補填・公的医療保険・商業保険など・個人負担)に纏めている。
・5年間ごとに纏めているが、数値は各5か年の中間年データである。(2016~2020年の場合:2018年のデータ)
・2021年以降は、各機関から公開されている将来予測データを元にしてibgが集計したもの。
今回紹介した全国VBPだけでなく、省VBPやNRDL国家談判といった医療費抑制政策が、政府組織が再編された2018年から頻繁に打ち出されている。
「VBPはいつまで続くのか?」といった質問を受けることもあるが、上記の予測データからだと、国民1人に対する公的医療費比率は下げる方向にあり、今後こういった政策は常態化すると考えられる。
こちらは参考として、WHOデータを元に、2017年における各国の医療費財源構成比率を纏めたものだ。公的医療保険と商業保険等の分かれたデータがないこと、ご了承いただきたい。また米国の個人負担率が低いが、これは社会支出内の商業保険が大部分を占めると考えられる。
あくまで上記フレームワークのみで言った話だが、先程のスライドと比較すると、中国はドイツのような財源構成比を目指していると考えられる。
さいごに
第4回VBPの内容から、中国での公的医療費抑制の話まで、長文となってしまいました。
今後の中国医療市場を考える上での参考になれば幸いです。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。