百済神州(BeiGene)
公開情報等より、百済神州(BeiGene)の業績情報をまとめてみた。
この百済神州は2020年研究開発費が中国企業トップの会社だ。
【左:中国における売上推移】
・PD-1阻害剤である替雷利珠单抗(Tislelizumab、製品名は百泽安)と、BTK阻害剤である泽布替尼(Zanubrutinib、製品名は百悦泽)の中国における販売が伸び、2020年は売上が大幅増。
【右上:Globalにおける売上推移】
・2021年Q1は売上が大幅増。このうち32億元はLicense-outによる売上寄与。
【右下:他社へのLicense-out】
・2行目だが、百済神州が実際に受け取ったのは前払金の4億USDのみ。
・3行目は、2021年1月にノバルティス社に対する、北米・日本・EU・その他欧州6か国における共同開発・販売権のLicense-out。
百済神州の組織体制だが、Global機能と地域機能で分けられている。
【Global機能】
・研究開発・BD・財務など、グローバル一括で運営すべきもの。
【地域機能】
・例えば大中華区(GreaterChina Region)においては、Marketing・Sales・MarketAccessなどの、ローカルで判断すべき機能で構成されている。
研究開発への高い投資比率
上記は百済神州のGlobalにおける売上・研究開発費・利益をまとめたものだ。(単位は億USD)
2013年から2020年にかけて赤字が続いていたが、2021年Q1はPD-1阻害剤Tislelizumabの海外市場権利をLicense-outしたことによる収入が寄与し、四半期だが初めて黒字となった。
ちなみに2021年Q2だが、中国においてTislelizumabやZanubrutinibが昨年NRDLへ収載され、2021年3月から償還開始されたことに伴い、数量ベースだと大幅増となっている。
Tislelizumab(PD-1阻害剤)は13倍、Zanubrutinib(BTK阻害剤)は28倍の消化増だ。(数量ベース)
さいごに
こちらは以前も紹介した、中国医薬品メーカーの研究開発投資状況だ。(単位は億元)
今回は、投資額1位の百済神州を紹介した。
このような中国新薬メーカーが、今後グローバル市場においてどのようなパフォーマンスを出し、単年利益も確保する企業へと変わっていくのだろうか?
グローバル視点からも、中国新薬メーカーを分析する時代になってきている。
以上
この記事は各種公開情報等を基に、ibgが内容を作成したものです。