2022年9月20日、国家薬品監督管理局より処方薬「散痛舒胶囊」のOTC化を承認する旨が発表された。
これで2022年にスイッチOTCが承認された医薬品は7製品となった。
【2022年1月25日】
・蒲地蓝消炎片(甲類OTC、双跨)
・红花逍遥片(甲類OTC)
【2022年5月20日】
・保妇康凝胶(甲類OTC、双跨)
・调经养颜颗粒(甲類OTC)
【2022年7月11日】
・硫酸氨基葡萄糖钾片(甲類OTC)
【2022年8月26日】
・奥美拉唑肠溶片(甲類OTC、双跨)
【2022年9月20日】
・散痛舒胶囊(甲類OTC)
上記で「双跨」とあるのは、処方薬・OTC薬ともに登録されている製品だ。
処方薬で複数の適応症を持ち、そのうちの一部がスイッチOTCへ承認された際にこのようなケースが起こる。
スイッチOTCに関する政策だが、2004年4月に出された上記が未だ最新版であると私は理解している。多くの場合は動物試験が必要で、コストも時間も要する状態だ。
スイッチOTC化に成功した場合は製品名による宣伝ができるメリットがあるが、店舗薬局やオンライン薬局で処方薬を手軽に購入できる中国において、スイッチOTC化を進めるのにROIが適切かどうか、しっかりと見極めなければならない。
2022年5月9日に国家薬品監督管理局から発表された《中華人民共和国 医薬品管理法実施条例(改訂草案意見募集稿)》の第26条でも、スイッチOTCについて掲載されている。
【第26条(処方薬と非処方薬の切替)】
・上市承認済みの処方薬について、上市後臨床研究の結果、MAHが非処方薬の条件・要求を満たすと判断した場合、国務院薬品監督管理部門へスイッチを申請可能。関係部署で評価した結果、非処方薬への切替条件を満たすと判断された場合はスイッチが承認される。
・また上市承認された非処方薬について、副作用の監測や上市後研究結果にリスクがあると判断された場合は、非処方薬としての扱い及び販売が停止される。その場合、MAHは充分な研究を行った上で、国務院薬品監督管理部門へ処方薬としての申請を提出すること。関係部署での評価を経て、処方薬への切替が承認される。損害が大きな場合は、当医薬品の登録証明が取り消され、また販売製品を全て回収すること。
・国務院薬品監督管理局は、処方薬・非処方薬の評価を主体的に実施することが可能。
・処方薬と非処方薬の登録・切替に関するプロセス・評価要求などは、国務院薬品監督管理局が制定する。
上記の2022年5月に発表された《医薬品管理法実施条例(改訂版パブコメ)》を見ると、スイッチOTC薬に対する要求は高く、スイッチ化を開放するような傾向は見られない。
公的医療費抑制に向けて、VBPなどにより主に処方薬の薬価引き下げが続けられる中、OTC薬への国としての期待が今後どう変わっていくのか?
引続き動向を見守りたいと思う。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。