今回は大湾区(the Greater Bay Area)の動向を1つ紹介したい。
上記スライドは以前掲載した、2020年11月25日発表の《広東・香港・マカオ大湾区 医薬品・医療機器監督管理イノベーション新発展方案》を1枚にまとめたものである。
2022年9月1日に、青字箇所に関して新たな通知が発表されたので紹介したい。
2022年9月1日、広東省薬品監督管理局より《広東・香港・マカオ大湾区 臨床緊急ニーズのある輸入医薬品・医療機器の予備審査データベース構築に関する通知》が発表された。
【本通知の概要】
・主に海外の製薬メーカー・医療機器メーカー向けに出された通知
・この予備審査データベースに事前登録しておけば、広東省の指定医療機関から当医薬品/医療機器の申請があった際、審査・承認手続きが短縮されますよ!というもの
・この通知が発表された9月1日当日、某日系製薬メーカーが登録作業を完了させた(公開情報より)
上記は、先程紹介した2022年9月1日の通知内容をスライド一枚にまとめたものだ。
申請時の提出資料は、広東省薬品監督管理局のホームページに明記されているので、そちらを参考いただきたい。
「申請された資料が要求を満たさない場合、広東省薬品監督管理局より申請企業に対して、補足関連資料の提出を依頼する」と明記されている。つまり要求通りの資料を提出すれば、基本的にはこの予備審査データベースに全て登録されるということだ。
大湾区政策を活用しようと考えている製薬メーカー・医療機器メーカーにとって、今回発表された予備審査データベースへ登録することによるデメリットは無いように感じる。該当製品を持つ企業の登録が今後進むかもしれない。
広東省薬品監督管理局ホームページからの情報だと、現状、大湾区政策を通じて広東省指定医療機関での使用が承認された医薬品は20品目、医療機器は12品目とまだ多くない。しかしながらここ1年間の薬品監督管理局発表を見ていると、大湾区の活用は何度も話題に挙がっている。(例:2022年6月27日、NMPA発表の《外資企業に対するサービス業務のさらなる強化に関する通知》第2章)
大湾区政策だが、外資企業にイノベーティブな医薬品・医療機器を中国大陸で上市して欲しいがためのNMPAによるアピールといううがった見方もある。しかしながら、これら大湾区政策を通じた医薬品・医療機器の導入が、人々の健康管理・QOL向上などに繋がることを期待したいと思う。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。