2023年6月21日、湖北省医療保障局がリードしていた“中成薬 全国連盟VBP”の入札が行われ、その結果が当日発表された。
【今回参加した30の省・区・市】
湖北省、北京市、天津市、河北省、山西省、内蒙古自治区、辽宁省、吉林省、黑龙江省、上海市、江苏省、浙江省、安徽省、江西省、山东省、河南省、广东省、广西壮族自治区、海南省、重庆市、四川省、贵州省、云南省、西藏自治区、陕西省、甘肃省、青海省、宁夏回族自治区、新疆维吾尔自治区、新疆生产建设兵团
【これまでの経緯】
- 2022年9月9日、VBP対象製品の発表
- 2022年9月20日、公立医療機関に対する要求の発表(対象製品に関する2021年の購入量、購入単価、購入金額等)
- 2023年5月19日、製薬メーカーに対してルール等を発表(入札ルール、提出資料、初年度購入予定量等)
- 2023年6月16日、製薬メーカーに対してスケジュール等を発表(資料提出日時、提出場所、結果発表日時等)
- 2023年6月21日、結果発表
【対象製品数】
- 購買グループ数:16(复方斑蝥、冠心宁など)
- 医薬品名称数:42(复方血栓通滴丸、复方血栓通胶囊、复方血栓通颗粒など)医薬品名称とは、剤型ごとに分かれたものだと理解していただきたい。
- 医薬品名称×包装規格×企業数:296
【落札結果】
- 落札企業数:63社
- 平均下落率:49.36%
中成薬の場合、化学薬と異なり“一致性評価”が存在しない。
そのため今回のVBP対象製品に該当し入札に参加したい企業は、「技術評価指標」を提出することとなった。
ちなみに入札時は、「価格競争得点(=値下げ)」が60%、「技術評価得点」が40%の割合で総合評価された。
「技術評価得点」の中身を少し紹介しよう。
【医療機関からの認可度合い 60点】
- 事前に公立医療機関から購買予定量が提出されている。
- それを基に、同一購買グループ内での比較結果が得点に反映される仕組みだ。
【製薬メーカー ランキング 20点】
- 《中国医薬統計年報(2020年)(総合版)》等における売上収入ランキングを基に採点。
- また上記年報等の「中薬企業ランキング」・「化学薬企業ランキング」も採点に加えられる。
【製薬メーカー イノベーション力 20点】
- 《中国医薬統計年報(2020年)(総合版)》等における研究開発費用ランキングを基に採点。
【その他 加点/減点要素】
- 《中薬材生産品質管理規範》のGAP要求を満たしているか?
- 連盟VBP対象地域において、過去に契約通りの配送を履行できたか?
- 医薬価格・入札信用評価において、マイナス評価がつけられていないか?
- 2020年1月以降、生産品質検査に引っかかっていないか?
「価格競争得点(=値下げ)」に関するルールは本文で紹介できないほど複雑なため、今回省略させていただく。
数年前まで、「中成薬は一致性評価が難しいから国家VBPは行われない」と言われていた。
しかしながら今回紹介した連盟VBPは、全国殆どの省市が参加しており、前述したような一致性評価に代わる「技術評価」が導入された状況だ。
今回の落札結果は、CCTV国営テレビをはじめとする各種メディアでも取り上げられている。
「看病難、看病貴(診療を受けるのが難しく、受けられても医療費が高い)」の解決に向けて、VBPの対象範囲は広がっている状況である。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。