
2023年6月1日、国家薬品監督管理局薬品審評中心(CDE)指導の下、中国食品薬品国際交流中心主催で《2023年小児用薬 研究開発・科学監督管理促進に関する座談会》が北京で開催された。
上記CDEホームページ上の発表は、その座談会で発表された内容を簡単にまとめたものだ。
【発表された内容】
- 2019年以降、小児用薬に関する17の指導原則を発表した
- 以前に比べて、小児用薬の上市申請数・承認数は増加傾向にある
- 2019年~2022年に158の小児用薬が上市承認された
- また、2023年1月~5月には34の小児用薬が上市承認された(前年同期数を超える)

次に、2023年5月26日に国家衛生健康委員会 薬物政策・基本薬物制度司から発表された《第4回小児用薬研究開発推奨建議リスト》を紹介する。
具体的な医薬品名・剤型・規格は、上記の国家衛生健康委員会ホームページに掲載されているので、そちらを参照いただきたい。今回の発表は“建議”であり、これに対して意見があれば提出する流れになっている。
《小児用薬研究開発推奨リスト》はこれまで3回発表された。
過去3回のリストに収載された医薬品数は合計105ある。今回の第4回リストでは、29の医薬品が建議として掲載されている。

最後に、CDE公開情報を基にibgがまとめた情報を共有したい。
上記は情報公開されたNDA承認済みの新薬情報を基に、各疾病領域のフェーズⅢ免除に関する医薬品件数をまとめたものだ。(対象期間はNDA承認取得が2019年~2021年のもの)
あくまで情報公開されているデータを母集団としたものだが、小児用薬の場合、中国での臨床試験が大幅に短縮されていることが分かる。
以上、小児用薬の上市承認に関する情報を紹介した。
ちなみに上市後に関する話題として、以下の状況も共有する。
【NRDL収載】
- NRDL(2022年度版)には2,967種の医薬品が収載されているが、そのうち約600種は小児薬が占めている。(つまり、保険対象の適応症対象者として小児が含まれているもの)
【医療機関への採用】
- 2023年1月、国家衛生健康委員会が、各省の衛生健康委員会・医療機関に対して《小児臨床用薬管理業務の更なる強化の通知》を発表した。その《通知》内で、小児用薬に対して「一品两規ルール」と「採用医薬品品種数の制限ルール」を適用しないことが明記されている。
- ちなみに「一品两規ルール」とは、2007年5月1日に施行された《処方管理弁法》第16条に定義された内容で、医療機関は同一一般名の医薬品について、注射剤・内服剤をそれぞれ2種類までの採用にするという内容である。
- また「採用医薬品品種数の制限ルール」とは、三級医院は1,500種まで、二級医院は
1,200種までと正式採用リスト数を設定している内容である。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。